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2016年の山岳遭難発生件数を調べてみますと、都道府県別では東京都が3位であった。
1位:長野県、2位:北海道でした。
山岳遭難と聞くと、山で何かあったのか?と想像されると思います。
「低い山だから大丈夫」、「日帰りだから大丈夫」、「皆と一緒だから」、「今まで大丈夫だった」、「自分は大丈夫」「自分に限っては」と安易な考えで遭難する方が多いようです。
山岳遭難=高い山という考えは捨て、低い山でも起きることを理解しておきたいものです。
特に中高年の登山者が非常に多くなっているといわれてます。
山岳遭難
東京都(奥多摩)での遭難事故の特徴
・登山に必要な体力、持久力の不足。
・下山時に石につまずく。
・転落する事故。
・急変する山の天気にる。
・自然の脅威に関する知識不足。
・道に迷いビバークの際、サバイバル技術の不足。
・何事もリーダーまかせの「他人依存型登山」によるもの。
このようなことが原因で遭難されております。
遭難詳細(2016年)
発生件数:58件
月別件数
__1月:3件。
__2月:4件。
__3月:5件。
__4月:3件。
__5月:9件。
__6月:4件。
__7月:5件。
__8月:2件。
__9月:6件。
__10月:7件。
__11月:9件。
__12月:5件。
遭難は、季節を問わず発生していることがわかります。
遭難された山岳名と標高、遭難者の状況
・イヨ山 979m
_0無傷 女性 46歳 11/18
・ウトウの頭 1588m
_死亡 女性 62歳 5/3~(捜索4日)
・エビ小屋山 1147m
_無傷 男性 69歳 5/8
・サス沢山 940m
_無傷 女性 30歳 12/10
・チクマ山 1040m
_軽傷 男性 20歳 6/11
_無傷 男性 30歳 11/20
・愛宕山(あたごさん)507m
_軽傷 女性 28歳 5/29
_軽傷 女性 82歳 9/17
・越沢 500m
_重傷 男性 66歳 4/12
_軽傷 男性 25歳 3/26
・岩茸石山(いわたけいしやま)793m
_無傷 男性 29歳 9/17
・鋸山 1109m
_無傷 女性 45歳 7/24
_死亡 男性 67歳 10/24~(捜索4日)
・御岳山(みたけさん)929m
_重傷 女性 62歳 5/21
_軽傷 女性 66歳 6/1
_重傷 男性 65歳 11/20
・御前山(ごぜんやま)1405m
_死亡 男性 69歳 1/12~(捜索9日)
_重傷 男性 45歳 4/30
・三ノ木戸山(さぬきどやま)1177m
_無傷 男性 19歳 3/8
_無傷 男性 27歳 3/26
_重傷 男性 44歳 3/29
・小雲取山(こくもとりやま)1937m
_死亡 男性 64歳 12/8
・人形山 1176m
_無傷 男性 68歳 10/29
・水根山 1620m
_無傷 男性 41歳 1/23
・水根沢
_無傷 女性 47歳 7/24
・川乗山 1363m
_重傷 男性 65歳 5/28
_軽傷 女性 30歳 6/6
_無傷 男性 66歳 9/10
_軽傷 女性 47歳 9/10
_無傷 男性 30歳 10/16
_重傷 男性 71歳 11/12
・倉戸山 1169.3m
_無傷 女性 69歳 6/11
_無傷 男性 54歳 8/12
・惣岳山(そうがくさん)756m
_軽傷 男性 70歳 2/27
・多摩川 渓流釣り
_死亡 男性 46歳 4/14
_死亡 男性 43歳 5/25
_死亡 男性 19歳 7/5
・大岳山(おおだけさん)1266.5m
_無傷 男性 24歳 2/13
_無傷 女性 39歳 2/13
・鷹ノ巣山(たかのすやま)1737m
_軽傷 男性 66歳 5/15
_重傷 男性 67歳 8/11
_死亡 男性 33歳 9/29
_無傷 女性 35歳 10/2
_無傷 男性 66歳 10/10
_無傷 男性 55歳 11/6
_死亡 男性 40歳 11/13
_無傷 女性 41歳 12/7
_軽傷 男性 38歳 12/10
_重傷 男性 52歳 12/31
・天祖山(てんそさん) 1723m
_重傷 男性 65歳 5/6
_無傷 男性 69歳 10/13
・日陰名栗山(ひかげなぐりやま) 1725m
_死亡 男性 77歳 9/24
・百尋の滝(ひゃくひろのたき)
_無傷 男性 78歳 11/10
・本仁田山 1224.5m
_無傷 男性 30歳 7/16
_無傷 男性 47歳 7/16
・六ッ石山(むついしやま)1478.85m
_無傷 男性 34歳 1/22
_無傷 男性 67歳 10/16
・榧ノ木山(かやのきやま) 1485m
_無傷 女性 31歳 3/25
標高1,000mを超えると重傷、死亡のリスクが高まるようです。
渓流釣りがいかにリスクが高いのかが伺えます。
山岳の遭難された地図はこちらです。
遭難の原因
滑落:10件。
転倒:05件。
転落:01件。
道迷:29件。
発病:04件。
疲労:02件。
不明:07件。
道に迷うことが圧倒的に多いことがわかります。
遭難前の目的
ハイキング:02件。
渓流 釣り:04件。
登山:49件。
不明:03件。
登山目的で遭難することがハッキリとわかります。
遭難者の怪我の程度
無傷:40名。
軽傷:09名。
重傷:10名。
死亡:10名。
軽傷、重傷、死亡と約4割以上の方が怪我を負い、最悪の場合は死亡することがわかります。
男女の割合
男性:45名。
女性:24名。
男性も多いが女性も多いことも判明。
年齢層
10代:02名。
20代:08名。
30代:15名。
40代:15名。
50代:04名。
60代:20名。
70代:04名。
80代:01名。
30代、40代と60代が多いのがわかります。
職業別
会社員:32名。
職 人:01名。
公務員:01名。
自営業:02名。
大学生:03名。
無 職:25名。
その他:05名。
会社員と無職の方が多い。
居住地
東京都:46名。
埼玉県:05名。
山梨県:01名。
神奈川県:08名。
静岡県:01名。
千葉県:08名。
東京都から訪れる方が多い。
以上のデーターから考えると、
月別件数:一年中遭難事故が発生している。
標高からの遭難:1,000mを超えると遭難事故が発生。
遭難の原因:道に迷うこと。
目的:登山。
怪我:無傷の方が多く遭難している。
男女:男性の方が多く遭難。
年齢:30~49歳、60代の方が遭難する確立が多い。
職業:会社員と無職の方が多い。
居住:東京都(近郊からの登山者)。
奥多摩には、標高1,000mを越す山が数多くあり、登山・渓流釣りでの遭難事故が後を絶たないようです。
遭難対策方法
1、携帯電話は必ず持っていき、バッテリー残量に注意しておくこと。
携帯電話は不感地帯が多いため全面的な信頼は禁物と把握しておく。
(資格のある方はアマチュア無線機を携行)
2、日帰りの登山でも、ヘッドランプ、雨具、水筒等、登山に必要な装具は基本どおり携行すること。
予備の食料、防寒衣、マッチ、地図、コンパス、携帯電話(サブバッテリー)などの携行。
3、登ろうとする山の地理、地形を前もって勉強しておく。
4、体力をつけておく。
5、日没時間を把握しておく。
6、もしもの時に自分を守るために、登山計画書を作成し登山届けをしておく。
登山届け提出先:警察(登る山管轄地域以外でも可能)
家族、友人などにも一報連絡しておきます。
7、地図、コンパス等を有効に活用して、常に、自分の位置を確認するよう心掛ける。
8、落雷の多い季節では、遅くとも午後15時くらいは下山するよう心掛けておく。
9、「自分の身は自分で守る」のが基本。
おわりに
健康ブームを背景に毎年登山者が数が増え、遭難も増えている状況です。
携行品の準備不足、軽装での山歩き、体力への過信など自然を相手にするからこそ、準備が必要です。
日帰りハイキングも同様に注意しておかなければなりません。
やはり目的地に到着=終了ではなく、帰ってきてはじめて完了です、それこそ楽しかった思い出観光になるはずです。
遭難が減ることを祈ります。
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