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復興工事(東日本大震災)で完成した防潮堤が台風による雨水の影響でせき止め、住宅などの被害が2か所で発生しました。
せっかく津波を予防するための防潮堤や堤防、意外な被害が発生し私も驚きを隠せない。
宮城県石巻市と岩手県山田町で報告された現実を理解し、今後の復興計画に役立てることはできないだろうか。
考えてみたいと思います。
宮城県石巻市牡鹿半島にある蛤浜
2019年8月に完成した防潮堤ですが、10月の台風19号で集落の平地一帯が冠水。
台風19号の進路や勢力。
#台風19号 今後の進路は?
最新の予想進路の情報が入りました。大型で非常に強い台風19号は八丈島の南南西約490キロを1時間におよそ25キロの速さで北北西へ進んでいます。あす土曜日、東海と関東にかなり接近する見込みで、甚大な被害が発生するおそれがあります。https://t.co/Hm9VwwdNjK pic.twitter.com/hxr9xRdsyL
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) October 11, 2019
この台風で北陸新幹線10両編成が廃車、長野県の千曲川でも大規模な洪水、各地で河川が決壊しました。
蛤浜(はまぐりはま)では防潮堤が水をせき止め冠水したと報告されています。
防潮堤が完成し水をせき止め、冠水した映像。
防潮堤で集落が冠水 住民は危険を訴えるも「防潮堤ありき」で計画進んだ https://t.co/Xlt3g2JIwr #AERAdot #AERA
— AERA dot. (アエラドット) (@dot_asahi_pub) March 10, 2020
自動車のタイヤ半分ほどまで水位があるように思えます。
実は冠水する危険性は復興計画から持ち上がっており、住民の方々は何度も市の担当者へ訴えていた。
もちろん津波対策として防潮堤を作るべきですが、排水処理方法を考えなければならないケースです。
想定を超える大雨は、近年多く発生しているようにも思えます。
住宅は高台にあり守られても生活道路が水没すれば孤立となる。
岩手県山田町田の浜
こちらも台風19号の影響で堤防が障害となり、水をせき止め70戸を超える被害があった。
場所は?
こちらは堤防が完成する前の画像です。
堤防が完成し水をせき止めた映像。
台風19号で津波対策の堤防障害に 岩手・山田で水せき止め70戸超被害 「人災」住民から批判 https://t.co/8CW6WSODTD
— 河北新報オンラインニュース (@kahoku_shimpo) October 17, 2019
津波被害を防ぐために2018年に造られた長さ400m、高さ最後部で6mの堤防(津波防災緑地公園)が沢の水や雨水をせき止め、さらに一部が決壊し住宅の一部では1階の天井まで浸水となった。
共通点を考えてみました。
堤防・防潮堤で災害が発生した共通点
堤防・防潮堤での共通点を考えてみます。
1、想定を超えた大雨だった(台風19号)
2、排水システムの排水溝が土砂、木などで詰まり排水を妨げた
3、宮城県石巻市牡鹿半島にある蛤浜は災害危険区域、一方岩手県山田町田の浜は土砂災害警戒区域となっていた
災害危険区域
災害危険区域とは?
津波、高潮、洪水などの災害に備えて、住宅や福祉施設といった居住用建築物の新築・増改築を制限する区域。建築基準法(第39条)に基づいて、地方自治体が条例で区域を指定し、建築制限を設けている。
土砂災害警戒区域
国土交通省の基準に基づく都道府県の調査で土石流、地滑り、崖崩れの恐れがあるとされた渓流や場所が土砂災害危険箇所。
都道府県は、これをもとに砂防法などに基づく防災設備などを整備。
また、これを目安に、土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域と特別警戒区域を指定する。警戒区域は公表され、市町村は警戒や避難の体制を整え、地域防災計画に盛り込まなければならない。
4、復興計画の段階から冠水の危険性を訴え要望していた
5、被害に遭われた方は「人災」だと言われている
以上が共通する点となります。
対策はあるのでしょうか。
自然が相手なので、防ぐことよりも避難することが優先なのかもしれません。
経路や避難方法、そして避難施設は日ごろから理解しておくことが必要だと思います。
排水溝が詰まれば、日本全国どこでも起きるはずです。
日ごろから排水桝、グレーチングの場所を把握し塞がれようなら撤去、ゲリラ豪雨等に予防できるはずです。
また、大型の排水ポンプ車が有効かもしれません。
【働く車をご紹介!~災害対策機械編①~】
排水ポンプ車は、排水作業に必要な排水ポンプ・発電機等を備えた車両で、河川の氾濫などにより浸水した場所に出動し、あふれた水を排水する車です。
万が一の浸水時には、速やかに出動して、被害を最小限に抑えます!#働く車 #災害対策機械 pic.twitter.com/V5afUQM1SI
— 国土交通省 福井河川国道事務所 (@mlit_fukui) July 1, 2019
消防団のポンプ車でも利用できるはずです。
#台風19号 で、被害を受けた皆さまへお見舞い申し上げます。#停電 の際の家電製品のお取り扱いや
製品が #冠水 した場合の注意点・対策をご紹介しています。
一時的に使用可能な状態であっても、そのままでは通電せず、点検・修理をおすすめします。https://t.co/iupRDViTQ1— Panasonic Japan公式 (@Panasonic_cp) October 13, 2019
また、冠水してしまった家電製品も注意しなければなりません。
そのまま通電しないようご注意ください。
おわりに
実際に起きた2つの地域、防潮堤が引き起こす危険性を考えてみました。
想定でない雨量ともなれば、防潮堤があってもなくてもどこでも冠水が起きるはずです。
堤防や防潮堤には内水氾濫対策を考えることが、今後の復興計画に役立つはずです。
人災なのか判断できませんが、同じ場所で繰り返さないよう検討していただきたい。
地震・雷・火事と気をつけていたはずですが近年は水害も気をつけることになったのは残念です。
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